木曽川を挟んで向かい合う愛知県犬山市と岐阜県各務原(かかみがはら)市を訪ねます。
犬山市では犬山城の東、日本庭園 有楽苑(うらくえん)の苑内にある通常非公開の国宝茶室「如庵(じょあん)」を内部まで見学し、苑内の別の茶室で抹茶をお召し上がりいただきます。
如庵はもともと織田信長の弟で茶人として有名な織田有楽斎が江戸初期の元和4年(1618年)、京都の建仁寺の塔頭、旧正伝院に建てた茶室で、国宝茶席三名席の一つです。明治末期に東京へ、昭和の戦前に神奈川県大磯に移築され、昭和47年(1972年)、犬山に移築されました。こけら葺き屋根の端正な外観、竹を詰め打ちにした「有楽窓」、茶室内部の古い暦を張った暦張りの壁、床脇を斜めに区切る壁など独特の茶の世界が表現されています。
如庵がある有楽苑は昭和の建築家、堀口捨己氏が監修した庭園で、苑内には旧正伝院書院(重要文化財)、有楽斎の別の茶室を復元した元庵などもあります。
各務原市では結婚式場、迎賓館サクラヒルズ川上別荘にある通常非公開の旧川上家別邸「萬松園(ばんしょうえん)」(重要文化財)を見学します。「日本初の女優」と呼ばれた川上貞奴(1871年~1946年)が昭和8年(1933年)に建てた別荘で、木曽川沿いに広い庭があります。主屋は南部鉄器の瓦屋根の近代数寄屋建築、洋風サロンルーム、かや葺き民家風建築などが一体となった建物で、全国から集めた建材や和洋の優美な装飾品が用いられ、絢爛豪華で色あせない魅力を保っています。
昼食は各務原市の人気店「うな神(うなじん)」で、ブランドうなぎとされる愛知県三河一色産うなぎ1匹を使った料理をお召し上がりください。